青龍(せいりゅう)、朱雀(すざく)、白虎(びゃっこ)、玄武(げんぶ)。この四つの名前は、ゲームや小説で見かけて覚えた方も多いかもしれません。もとをたどれば、東西南北それぞれの方角を象徴する四神です。
四種類の守護獣というだけの存在ではありません。方位、季節、色、五行、星宿(せいしゅく)を結びつける大きな相関の体系の一部として見ると、なぜこの四つがひと組なのかが見えてきます。
四神は、方角ごとに季節と五行、色が組み合わされて語られます。
青龍は東方の龍の形をした神獣、朱雀は南方の鳥の形をした神獣、白虎は西方の虎の形をした神獣、玄武は北方の亀と蛇が組み合わさった神獣です。名前が似ているせいか、…
キトラ古墳では、東壁に青龍、南壁に朱雀、西壁に白虎、北壁に玄武が描かれ、十二支の像や天文図もあわせて配されています。方角と壁の位置がきちんと対応しているのが分かります。
二十八宿は、東西南北それぞれ七宿ずつにまとめられています。四神は、こうした空の四区分を象徴する四象(ししょう)としても理解されます。
六壬神課の十二天将にも、青龍、朱雀、白虎、玄武という名前が含まれます。しかし、方位の神獣としての四神と、六壬盤の上で働く神将の体系は別のものです。
01|方角・季節・色の対応
四神は、方角ごとに季節と五行、色が組み合わされて語られます。
中央に土や黄色に関わる要素を置く体系もあります。ただし、黄龍や勾陳(こうちん)を常に四神と同じひと組として固定してしまうと、資料ごとの違いが見えなくなるので注意してください。
同名の十二天将とは別体系です。四神は空間秩序の対応として整理します。
春・木・青
夏・火・赤
秋・金・白
冬・水・黒
02|それぞれの姿
青龍は東方の龍の形をした神獣、朱雀は南方の鳥の形をした神獣、白虎は西方の虎の形をした神獣、玄武は北方の亀と蛇が組み合わさった神獣です。名前が似ているせいか、青龍を龍王、朱雀を鳳凰、玄武をただの亀と同じものだと説明されることがありますが、これは正確ではありません。
それぞれの成り立ちや図像、日本での受け入れられ方は一様ではありません。青龍、朱雀、白虎、玄武の各記事で、ひとつずつ確かめられます。
03|日本の古墳に残る四神
キトラ古墳では、東壁に青龍、南壁に朱雀、西壁に白虎、北壁に玄武が描かれ、十二支の像や天文図もあわせて配されています。方角と壁の位置がきちんと対応しているのが分かります。
高松塚古墳にも四神の像がありますが、構図には違いがあります。同じ四神でも描かれ方はひとつではない、ということです。実物を見る機会があれば、壁ごとの配置に注目してみてください。
04|空を四つに区切る四象
二十八宿は、東西南北それぞれ七宿ずつにまとめられています。四神は、こうした空の四区分を象徴する四象(ししょう)としても理解されます。
地上の方角の話だと思っていた四神が、じつは夜空の区分とも結びついている。ここが四神の面白いところで、方位・季節・星の三つが一枚の図で結ばれていることになります。
05|同じ名前でも別の体系
六壬神課の十二天将にも、青龍、朱雀、白虎、玄武という名前が含まれます。しかし、方位の神獣としての四神と、六壬盤の上で働く神将の体系は別のものです。
名前が同じだからといって、役割まで同じだと考えると読み違えます。どの体系の話をしているのかを最初に押さえてから、個々の意味を確かめてください。
06|四神を調べるときのこつ
四神は、方位と季節、五行、星宿をつなぐ古典的な空間秩序の一部です。対応表を暗記するだけでも形はつかめますが、それだけでは資料ごとの食い違いに戸惑うことになります。
調べるときは、どの時代の、どの地域の、どの資料に出てくる四神なのかを合わせて確認してみてください。壁画なのか、古典の記述なのか、占術の盤上なのかで、同じ名前でも扱いが変わります。まずは気になる一神から個別記事を読み進めるのがおすすめです。