七五三やお宮参り、地鎮祭などで神職から緑の枝を渡され、そのまま神前へ進むように案内されることがあります。あの枝が玉串(たまぐし)です。榊(さかき)などの枝に紙垂(しで)や麻を付けたもので、祭典や祈祷の場では参列者が自分の手で神前へお供えします。
この所作は玉串奉奠(たまぐしほうてん)と呼ばれます。お供えして終わりではなく、そのまま拝礼へつながるところに特徴があります。
神饌(しんせん)は神さまへお供えする食事です。玉串も同じくお供えものですが、参列者自身が手に取り、祈りを込めて捧げ、続けて拝礼するという一連の動きになってい…
祭典では、神職から玉串を受け取り、案(あん)と呼ばれる台の上へ捧げ、拝礼するという流れが一般的です。枝の向きを変える動作が入ることもあります。
玉串は榊や神籬(ひもろぎ)と深く関わり、『古事記』の天岩屋戸(あまのいわやと)神話に見える真榊(まさかき)の祭りと結びつけて説明されることがあります。
神籬は、神をお迎えする祭場の中心、依代(よりしろ)として設けられるものです。玉串と同じく榊を用いるため、混同されることがあります。
祭典や祈願のときに納める「玉串料(たまぐしりょう)」は、金銭の表書きや名称として使われる言葉で、榊の枝である玉串そのものとは別のものです。のし袋にこう書くよ…
01|神饌やお賽銭とはどう違うのか
神饌(しんせん)は神さまへお供えする食事です。玉串も同じくお供えものですが、参列者自身が手に取り、祈りを込めて捧げ、続けて拝礼するという一連の動きになっている点が違います。通常の参拝で納めるお賽銭は、金銭によるお供えです。
- 神饌:食物をお供えする
- 玉串:榊などを捧げてそのまま拝礼する
- お賽銭:通常の参拝で金銭をお供えする
「神前にお供えする」という共通点はあっても、作法や意味合いはそれぞれ別のものです。
神饌・玉串・お賽銭は、神前へ供える点は共通しても役割が異なります。
神を迎えてもてなす祭祀の流れと関係します。
参列者自身が手に取り、祈りを込めて奉ります。
通常参拝などで行われる供え方です。
02|玉串奉奠の流れ
祭典では、神職から玉串を受け取り、案(あん)と呼ばれる台の上へ捧げ、拝礼するという流れが一般的です。枝の向きを変える動作が入ることもあります。
ただし、具体的な向きや手順、拝礼の仕方は祭典や神社によって異なるため、その場の案内に従うのがいちばん確実です。作法が少し違ったからといって不幸になるという話ではありません。落ち着いて、敬意をもって臨むことのほうが大切です。
03|語源には複数の説がある
玉串は榊や神籬(ひもろぎ)と深く関わり、『古事記』の天岩屋戸(あまのいわやと)神話に見える真榊(まさかき)の祭りと結びつけて説明されることがあります。
一方、名称そのものの由来については、「手向串(たむけぐし)」が変化したという説、玉を付けた串に由来するという説、霊串(たまぐし)と解する説など複数が並んでいます。どれか一つに決まっているわけではないので、由来の話に出会ったときは「そういう説がある」と受け取っておくと安心です。
04|神籬(ひもろぎ)との関係
神籬は、神をお迎えする祭場の中心、依代(よりしろ)として設けられるものです。玉串と同じく榊を用いるため、混同されることがあります。
- 神籬:神をお迎えする祭場の中心
- 玉串:神前へ捧げるお供えであり、拝礼の媒介
同じ榊を使っていても、果たしている役割は別です。供物、依代、拝礼という三つの文脈から見ると、それぞれの位置づけが整理しやすくなります。
05|「玉串料」は玉串そのものではない
祭典や祈願のときに納める「玉串料(たまぐしりょう)」は、金銭の表書きや名称として使われる言葉で、榊の枝である玉串そのものとは別のものです。のし袋にこう書くよう案内されて戸惑う方も多いところです。
金額や表書きの考え方は、初穂料・玉串料とは?で詳しく扱っています。
06|はじめて玉串を捧げるときに
事前に知っておきたいことは、そう多くありません。神職の案内をよく聞き、前の方の動きを見ておけば、たいていの場合はそれで足ります。
気になるようなら、申し込みのときに「作法を教えていただけますか」と一言尋ねてみてください。たいていは丁寧に教えてもらえます。玉串を手にしたときには、この枝が祈りを神前へ運ぶ役目をしていることを思い出してみると、所作の意味が違って感じられるはずです。