議論が行き詰まって空気が重くなったとき、「そういえば別のやり方もありますよ」と切り出して、場の温度を少し戻す人がいます。誰かを責める方向にも、黙り込む方向にも進ませない。その場にいる全員が、もう一度話せる状態に戻ります。

トライタイプ279は、2・7・9を含むファミリーで、Fauvre系の参照名はPeacemakerです。ここでは、「人と気持ちよくつながり、明るい可能性の中にいたい」という統合の仮説を置いて読んでいきます。

2・7・9が守りたいもの

トライタイプは、3つのタイプの動機(WHY)が重なったものとして扱います。279に含まれる3つは、次のように整理できます。

  • 2:人との関係の中で必要とされたい
  • 7:自由と可能性、希望を保っていたい
  • 9:平穏とつながり、安定を守りたい

この並びからは、人の気持ちに配慮しながら、場が重くなりすぎないよう別案や楽しさを持ち込み、関係をつなぎ直す方向が考えられます。誰かを切り捨てない進め方を自然と選びやすい組み合わせです。

場に希望を戻す力がどこから来るか

「他にも道がある」と示せる

問題が重くなったときでも、相手を孤立させずに別の可能性を提示できます。追い詰められた空気の中で、選択肢がまだ残っていると言える人の存在は、それだけで場の助けになります。

人が参加しやすい雰囲気をつくる

2の対人感度、7の明るい展開、9の調整が噛み合うと、緊張の強い場を柔らかくする働きになることがあります。発言しにくかった人が口を開くきっかけにもなります。

立場の違う人のあいだをつなぐ

対立を勝ち負けにせず、それぞれが受け入れられる案を増やす方向へ働きます。落としどころを探すというより、選べる案そのものを増やしていくやり方です。

前向きさが問題を覆ってしまうとき

279でつまずきやすいのは、重い問題や対立、拒絶を避け、前向きさで包み込みすぎてしまうところです。

「大丈夫」「別の方法もあるから」と希望を示すことは、それ自体は悪いことではありません。ただ、その一言が、本来必要だった悲しみや怒り、問題の直視を飛ばしてしまっていないかは確認したいところです。

手当てされないまま覆われた問題は、たいてい後から同じ形で戻ってきます。希望を出す前に、相手がまだ状況を言い切れていないのではないかと一度立ち止まると、包みすぎを防げます。

三つの願いが同時に働くと

2は相手を傷つけたくない、7は苦しい状態から抜け出したい、9は場を荒らしたくない。3つとも、対立を遠ざける方向に働きます。

その結果として、厳しい話題ほど後回しになりやすくなります。誰も悪意を持っていないのに、言うべきことだけが先送りされていく。この構図に心当たりがあるなら、避けているのは対立そのものか、対立のあとに起きることか、を分けて考えてみてください。

五行で見るとどうなるか

五行観測モデルでは、279を土・木・火・水の組み合わせとして仮に置いています。土でつなぎ、木で可能性を広げ、火で明るさを作り、水で人の状態を読む、という配置です。

制御役として働き得るのが金です。論点を整理する、必要なところでNOと言う、決めるべきことを決める。この働きが入ると、広げた可能性が実際の決定へ落ちていきます。いずれも仮説なので、自分の動きに当てはまるかどうかを確かめながら使ってください。

振り返りのための5つの質問

  1. 誰かが落ち込んでいると、問題を掘り下げるより、安心させたり楽しい案を出したりしたくなりませんか?
  2. 対立が必要な場面でも、「他の良い話」を出して回避していませんか?
  3. 相手の苦しさを変えようとせず、そのまま聞いていられますか?
  4. 自分がNOと言うとき、場の雰囲気が悪くなることを恐れていませんか?
  5. 希望を出すタイミングと、現実を直視するタイミングを分けられていますか?

まずは直近で「うまく収まった」と感じた場面をひとつ思い出して、そこで誰かが言いそびれたことはなかったかを確かめてみてください。279の力は場を保つところにあるので、保った先で何が言えていないかに気づけると、その力はさらに効きます。

参考:Katherine Chernick Fauvre / Tritype®

※279は独立に実証された固定的な人格分類ではなく、3つの中心の動機を比べるための補助的な観測仮説です。